
河内(大阪)山城(京都)大和(奈良)との境にあり、神のおわす山として古代より人々の崇敬を集めた神奈備(かんなび)の峰から、緩やかな起伏をへて交野ヶ原えと続き、其の麓の浄域に、長尾山菩提院正俊寺(しょうしゅんじ)と号し、古刹の法灯を伝えています。
当寺は、慶安四年(1651年)江戸時代、河内領主久貝因幡守正世 が父である因幡守正俊を弔う為に菩提寺として創建された寺です。
佛像や多くの石像があり、特に本尊木造釈迦如来像は黒佛と言われ、石造「十三重の塔」と共に、鎌倉時代の優れた文化財として知られています。
静かな境内には四季折々の草木が、参拝者に心の安らぎを与え、林間を舞い囀る野鳥の声も聞こえます。
1月1日~3日 | 初参り |
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1月5日 | 大般若祈祷法会 |
3月 | 春彼岸会 |
4月8日 | 花祭り |
5月(第3日曜) | 春季法要 |
8月15日 | 送り火万燈供養 |
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8月20日 | 御盆供養の法要 |
9月 | 秋彼岸会 |
11月3日 | 秋季法要 |
12月31日 | 除夜の鐘 |
曹洞宗は、お釈迦さまから代々の祖師(そし:宗派を開いた人)の方々によって相続されてきた「正伝(しょうでん:正しい伝記)の仏法(ぶっぽう)」を依りどころにしています。
「正伝の仏法」は坐禅の教えを非常に大切にしており、坐禅の実践によって得られる身心の安らぎは、そのまま「仏の姿」であると自覚することだと説いています。
そして坐禅の精神による行住坐臥(ぎょうじゅうざが:「行」は歩くこと、「住」はとどまること、「坐」は坐ること、「臥」は寝ることで、生活すべてを表します)の生活に安住し、安らぎに満ちた穏やかな日々を送り、この世に人間として生まれてきた価値を見いだしていこうというのです。
道元禅師は、私たちはこの世に生を受けたときに、仏さまと同じ心=「仏心(ぶっしん)」を与えられたとおっしゃっておられます。
「仏心」には、自分のいのちだけでなく他の人びとや物のいのちも大切にする、他人への思いやりが息づいています。
しかし私たちはその尊さに気づかず、我がままで自分勝手な生活をし、苦しみや悩みをつくってしまいがちです。
お釈迦さま、道元禅師、瑩山禅師の「み教え」を信じ、その教えに導かれて、日々の生活において自らの行い一つひとつを大切にすることを心がけたならば、身心が調えられ、私たちの中にある「仏の姿」が明らかとなります。
曹洞宗の目指す生き方は、自らの振る舞いを日々意識し、他の人々と互いに生きる喜びを見いだしていくことにあるといえるでしょう。